IPA(独立行政法人情報処理推進機構、理事長:富田 達夫)国際標準推進センターは、2010年9月から推進していた「文字情報基盤整備事業」において、漢字6万文字の国際規格化が完了したことを発表します。
これは、ISO(国際標準化機構)より文字コード国際規格の第5版の発行を受けてのことです。
IPAでは、内閣官房IT総合戦略室、経済産業省と共に、「文字情報基盤整備事業」を2010年9月より推進してきました。
この事業は、行政の実務で求められる人名や地名等の正確な表記をコンピュータで可能にするため、約6万文字の漢字について、文字フォントの整備や文字コードの国際規格化等を行ってきたものです。
なお、国際規格化にあたっては、一般社団法人 情報処理学会 情報規格調査会SC2専門委員会と連携し、順次進めてきました。
12月22日(日本時間)、文字コード国際規格書の最新版である、ISO/IEC 10646 (Universal Coded Character Set) 第5版がISO(国際標準化機構)より発行されたことが判りました。
これにより、整備してきた約6万文字の漢字全ての国際規格化が完了したことになります。
その結果、これら約6万文字全てをコンピュータで使用する際、統一的な文字コードで扱うことができるようになりました。
例えばこれまでは、ある自治体が人名の漢字をコンピュータで正確に表記させる場合、外字作成の必要があり、都度文字コードを登録していました。
自治体毎に登録された外字コードに一貫性が無いため、自治体やシステムを超えての電子文書の共有は困難でした。
国際規格化の完了は、こうした行政機関の相互運用(利用)の難しさ、外字作成のコストの解消になります。
今後は、同規格を参照することで、政府調達等が一層開かれたものとなり、電子行政用システムの構築や運用の効率、利便性が大きく向上することが期待されます。
(独立行政法人情報処理推進機構 プレス発表 12月25日)

人名に関しては役所や金融機関などでの本人確認の際、実際の手書き文字と身分証明書(運転免許証等)の表示が微妙に異なり、手続きに手間取った経験のある人も少なくないのではないでしょうか?
例えば「わたなべ」さんの場合、「渡辺」「渡邊」「渡邉」以外にも異体字は多く、外字ソフトでは「辺」の字が65種類もあるのだとか。
ということは、漢字検定の書き取りでも異体字を書いても正解になる可能性もあるので、採点がより大変になるかもしれませんね。
なお、京都の漢字ミュージアムには漢字5万字タワーというのがありますが、これらには異体字は含まれず、JIS第3水準とかそれ以上の見たことないような(象形文字?のような)漢字が書かれています。
漢字はとても奥が深いですね。
いずれにせよ、国際規格化されたこの漢字6万文字を書ける天才は将来的に現れるのか興味津津です。
本日はこのへんで。
では!

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